アメツチ

大橋弘写真展「野鍛冶」 食堂ヒトト│omoto 鉄と布の展 アトリエ間間

かつて、日本人はカタチを神聖なものと考えていました。物が最初にあるのではない。カタチはまず、気として存在する。職人達はその日々の営みを通して目に見えない何かを、道具としてカタチにする。そうやって生み出された道具は単なるモノではなく、一つとして同じものはなく、それぞれが独立した気配をまとう。大橋弘さんが撮り続けた鍛冶屋の営み、omoto 鈴木夫妻の手が生み出す、布と鉄の道具。アメツチと名付けたこの小さな展が、カタチについてあらためて考えるきっかけになれば幸いです。モノの濁流の中、ありとあらゆるカタチが生まれては捨てられていく、今だからこそ。オーガニックベース│奥津爾

古に天地未だ剖れず、陰陽分れざりしとき、混沌れたること鶏子の如くして、溟幸にして牙を含めり─日本書紀

大橋弘写真展「野鍛冶」

展示情報|Infomation

期 間│5月28日[木]̶─7月6日[月]
時 間│12時─22時
会期中 火曜日休み
会 場│食堂 ヒトト[地図]

Talk

大橋弘スライドトーク
日 時│6月4日[木]19時─21時
ゲスト│カクマツトム(『日本鍛冶紀行』著者)
omoto 鈴木康人
参加費│2,000円
会 場│食堂 ヒトト
お申込│0422–46–0337 ヒトトまで

Event

友川カズキ 独演会
日 時│6月22日[月]19時(開場 18:30)
料 金│予約 5,000円(当日 5,500円)
終演後、閉店時間まで飲み放題をご利用いただけます。
会 場│食堂 ヒトト(軽食・飲み放題付)
ご予約│0422–46–0337 ヒトトまで
(受付は木─月曜、10:00─22:00)
hitoto@organic-base.com

Publication

大橋弘写真集「野鍛冶」
写 真│大橋弘
デザイン│松井雄一郎 [suigen]
発 行│オーガニックベース
料 金│800円
判 型│B5
アメツチの展にあわせ写真集を制作しました。
ヒトトとアトリエ間間で販売しています。
置いていただけるお店があれば是非ご連絡を。
chikashi@organic-base.com 奥津まで]
大橋弘写真集「野鍛冶」

omoto 鉄と布の展

展示情報|Infomation

期 間│6月4日[木]̶─6月8日[月]
時 間│11時30分─18時
会期中無休
会 場│アトリエ間間[地図]

Event

omoto 出張研ぎ屋
日 時|最終日を除き、展示期間中毎日開催。
予約不要、受付は17時まで。
お値段|包丁の状態により¥800~
出刃包丁、刺身包丁など、時間のかかる研ぎに関しましてはお預かりとなります。
お持ちいただいた包丁の状態によっては、研ぎにお時間をいただく場合がございます。
砥石をお持ちの方は、砥石の診断も致しますのでお持ちください。

大橋 弘おおはし・ひろし

かつてインテリアデザイナーを目指して工業高校の木材工芸科に在籍していた頃、友達と奥多摩に写真を撮りに行った。そのとき私が撮った写真を、友達が知らぬまにコンテストに応募し、たまたま入選してしまった。それが根拠のない自信になったか、写真の面白さに味をしめ、東京綜合写真専門学校に進んだ。卒業後は無謀にも初めからフリーランス(フリーター)。アルバイトして金を貯めては、カメラをもって旅に出る。金が尽きると、東京に舞い戻ってアルバイト、そして旅。その繰り返し。楽しい良い時代だった。

26歳のとき、遠藤周作の『沈黙』の舞台、島原半島口之津に行こうと思い立ち、友達3人とスーパーカブで長崎へ出発。長崎の大浦日ノ出町に家を借り、1か月間長崎中を走り回って、いよいよお金が尽きた。カメラを質に入れ、東京にもどるお金もなく、見つけたアルバイト先が炭坑の島、閉山を1年半後にひかえた軍艦島だった。6ヶ月間構外作業員として働いた。都会育ちには、背骨がきしむほどの重労働だったが、体力だけは自信があった。あやうく主任になるところで島を去った。今思うと、面白すぎる体験をいっぱいした。

その後もしばらくはアルバイトしつつ、雑誌の写真の仕事をした。

雑誌の連載で日本の伝統食を月2回8年間190ヶ所ほど巡ったり、伝統工芸の職人さんを訪ねたり。20年ほど前から歩き始めた、日本の「鍛冶屋巡り」は120カ所を越えて連載中。鍛冶屋を訪ねる時は、いまも心が躍る。職人さんのリアリティには、うむをいわせないものがある。ライフワークでは苔の写真を撮り続けて、いつのまにか30年。いまは八ヶ岳に通っている。写真を撮ることが、年々楽しくなる、今日この頃です。

写真集
「MOSS COSMOS 苔の宇宙」「1972青春軍艦島」「FRACTAL」

写真展
「和紙の町小川町」「MOSS COSMOS 」「PLANTA」
「里芋畑」「1972青春軍艦島」「森の時間」「FRACTAL」

著書
「日本の手仕事」「極上食材図艦」「長寿の国日本の伝統食」
「日本の正しい調味料」「野山で生まれた暮らしの道具」「日本鍛冶紀行」

omoto

鈴木 智子すずき・ともこ

福島県いわき市生まれ。
地元の専門学校を卒業後、縫製会社勤務を経て、2003年に上京。大手アパレルメーカーでパタンナーとして活動しながら服を中心としたオリジナルなものづくりを始める。その後独立し、2009年「 omoto 」を立ち上げる。現在は自宅兼工房のある世田谷といわきを行き来しながら制作活動を行っている。


鈴木 康人すずき・やすと

福島県いわき市出身。
メンズファッション専門学校を卒業後、故石津謙介氏に師事。40代にいわきに戻り刃物研ぎ師としての道を歩み始める。地元の野鍛冶長谷川昭三氏に師事、鍛冶の技術を身に付けながら同時に県内外の物づくりイベントに参加。

生活の中の布と鉄│www.nunototetsu.com
ブログ│chisouan.exblog.jp

Film by Waki Hamatsu