病気の際の食事について(2)
先日に続いて、病気の際の食事について、基本をあらためて述べておきます。以下の「基本」を意識してください。これを意識するだけで、バランスがとても良くなり、治る速度が速くなります。
ポイント1
おかずを加える場合は、一日に加熱時間が「10分以上のもの」「10分以下のもの」の両方をとる(味噌汁をコトコト煮た場合なども、薬味を加えるだけで全然違う)。
ポイント2
「五味」を意識する。丸い野菜などの「穏やかな甘味をたっぷり」に、さらにちょっとの「酸味」「苦味」「辛味」「しょっぱさ」を加える、ということです。それぞれの「味」を感じられれば良いので、無理に量までを意識しなくてもかまいません。
酸味・・・梅酢、梅干、とろろ昆布、酸味のある漬物、米酢、ゆず、みかんの汁など。それ以外の柑橘果物や、りんご酢などの果物酢は、治病中には強すぎることがあるので要注意。米酢、みかんの汁であっても胃が弱い人には強すぎることがあるので、様子を見て注意する。
苦味・・・黒ごま、大葉、大根菜、かぶ菜、三つ葉、にがうりやふきのとう、時にピーマンなど。ごくまれに穀物コーヒー(原材料にいちじくを含まないもの)など。
辛味・・・ねぎ、大根おろし、からし菜、玉ねぎを生で(ただし少々にする)、生姜(少々にする)、時々マスタード(質の良いもの)など
しょっぱさ・・・醤油漬け、しょっぱい漬物類、ごま塩、鉄火味噌など(塩分ではなく「しょっぱさ」)。
例えば、「玄米とお味噌汁」でも、ご飯をふっくら甘く炊き、お味噌汁も大根やかぼちゃなどの具をを穏やかに煮ることで甘くできますよね?それに、梅干し、たくあん、ごま塩、大葉やねぎなどの薬味を加えたり、また、納豆などのちょっとしたおかずにすりごまやねぎなどを入れるだけで、「五味」を取り入れることができますよね。
普通のおかずや調味料も、大葉和えにするか、ねぎ和えにするか、ごま和えにするか・・・などのちょっとしたことで五味を取り入れられますので、ぜひ意識してみてください。
ポイント3
食の欲求不満を解消するためには、「食感」を意識すると良いです。たとえば、とろみのある食感、しゃきしゃきした歯ごたえ、かぶりつけるような歯ごたえ・・・など。
また、
小さく小さく切る⇔大きく切る
長くゆっくり火を通す⇔短時間加熱で仕上げる
・・・などで、ずいぶん食感を変えることができます。同じ食材でも食感を変えてみると良い発見になります。
野菜は、繊維に沿って切るか、沿わないで切るか、でかなり変わりますし、ご飯もじゅうぶんに浸水させて圧力鍋で水10倍でお粥にするか、ご飯としてふっくら炊くか、で別のものになります。また、葛やほんの少しの玄米粉などでとろみをつけたりすること、マッシュすること、などは、食感のバリエーションを付ける上で大きな味方になると思います。
病気治しの場合、「日常的な食事を以上のような基本にきちんと沿ったものにすることで、本来の体の要求に応えてあげること」、それがとても大きな力になりますので、ぜひ基本として以上のことを意識してみてください。